自分で革靴作ってみた【素人の靴作り】

既成の靴が足に合わない為、自分で靴作りを始めました。靴作りの教室や学校に通わずに。中古靴のリメイクから始め、フルスクラッチへ挑戦!の道のりを綴っていきたいと思います。

中古靴リメイク1足目【釣り込み】

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 ↑前回は中底を木型に固定し溝を切っていきました。今回は釣り込みに入ります。

 釣り込み、スクイ縫い、出し縫い の工程は、いかにも手製の靴を作ってる~
て感じがする工程です。
その釣り込みをやっていきます。結構、気合が入ってますが緊張もしております。
 
アッパーをかぶせて釘を打って固定していきますが、ワニとも呼ばれるピンサーという工具を使って釣り込んでいきます。仮靴を作った時には持っておらずウォーターポンププライヤーなど手持ちの工具を駆使して釣り込んだ訳ですが、今回はワニを入手しています。
 
ヒール部のアッパーとライニングの間に月型というヒールの型崩れを防ぐ芯を接着します。
 

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段差が浮き上がってしまうことが無いように、中心部からフチに向かって薄くなるように漉いていくのですが、これがまた難しい・・・。
すぐに使えるような状態で売っているのですが、自分の靴に使うには大きくカットしてサイズを合わせなければなりません。結果、薄く漉いてある部分を切り取る為、自分で漉き直さなければならないという・・・(笑)
 
アッパーとライニングをぎゅうぎゅうに引っ張りながらしっかりとテンションをかけて、踵、爪先、サイドと釘を打っていくのですが・・・
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この釘打ちが単純ながら、引っ張った革のテンションを保つようにしっかりと押さえつつ釘を打って行く為、なかなかに難しく。仮靴を作ったときなんか、慣れない手つきで誤って指を打ち付けたりするもんで、「いたっ!」と悲鳴をあげながら、なんとか進めていました。釘打ち嫌いだな~と思い投入したのがタッカー。ホッチキスの針を打ち込むような工具です。

 

釣り込んで癖をつけたら、一度爪先の釘を外し先芯を入れました。

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爪先の型崩れを防ぐ為のようです。

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芯を入れた後、爪先の方も釣り込みましたが・・・。
皺が寄って残っちゃってます。まだまだ修行が足りません。
この時点で、この皺をどうやって取っていけばいいのか、よくわかっておらず。
左足を作るときには、なんとなく解かってきたのですが、右足の側はこのように皺が残ったままとなってしまいました。

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次はウェルトを縫い付けていくスクイ縫いの工程に入っていく訳ですが
その下準備の糸造り、チャン糸作りをやっていきます。
 これがまた素人には結構難しくて苦戦しました。

中古靴リメイク1足目【中底の製作】

 

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 ↑前回は、材料と説明書といいますか手順書といいますか教本となる「紳士靴を仕立てる」を用意しました。

 
アッパーに関しては、中古靴の解体により流用としましたので、これから中底を作っていきます。

 

中底をざっくり木型に合わせて切って釘で留めました。

革包丁を使って切っていきます。自分はアマゾンで安いレザークラフトセットに入っていた革包丁を使いましたが、真っ当な物を買った方がいいでしょう。安いやつ買っても、その内にちゃんとした物が欲しくなりますから(笑)

 

 

レザークラフト入門のサイトなんかでは、革包丁は慣れないと扱いが難しく最初はカッターで良いと書いてあったりしますね。

 

 

その後、ゴムチューブなどを使ってぐるぐる巻きにして木型のカーブにぴったり沿った癖をつけていきます。まだ用意してないので、ダイソーの自転車乗る時にズボンの裾がチェーンに当たって汚れたりしないようにする裾バンドを代用品として使いました(笑)

※この写真は仮靴を作った時の物です。

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乾きましたら革はパリッとして木型のカーブに沿って形状記憶したように固まっています。
スクイ縫いの為の溝を掘っていきます。
 

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中底のヘリを斜めにカットした上で、その更に内側に切れ目を入れて切っていきます。
初めてやる人にとってはなかなか難易度が高く感じると思います。
職人はリンゴの桂剥きのごとくスルスルと、剥いた皮を一度も切らず繋げたまま切っていきますが、自分には無理でしたね。それでも何度も刃を入れて溝をほっていきました。
 
そしてこんな感じになりました。

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 がたがたですね。まあ、最初ですから・・・と自分を慰めておく(笑)

次は釣り込み工程となります。

中古靴リメイク1足目【材料と説明書】

 

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前回、アッパーを取得して、材料を揃えました。

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解体して採取したアッパー。

本底・地面に接地するいわゆるアウトソールの部分です。

中底・足と接する側の革です。

月型・踵の芯になります。

先芯・爪先の芯です。

ウェルト・アッパー、中底と本底を仲介して繋いでいる部分です。

鉢巻・ヒールをつける為に踵部分の丸みをとって水平をとります。

積上げ・ヒールのブロック部分で。革の層になっています。

トップリフト・踵の地面に接地する部分です。

 

材料としてはこんな所でしょか。これに工具や糸、接着剤等の消耗品が必要になってきます。

これでコンセプトである「ガンプラのキットを説明書を見ながら作るように」のキットに相当する物が揃いました。
 
今回は説明書について書き残していこうと思います。
 
ハンドソーン製法なんていう初心者がいきなりやる底付けにしては難易度高いのでは…って方法を選びました。
 
接着剤による底付けのセメント製法は仮靴でざっくり底を貼り付けてみたので、しっかり履ける靴としては仕上げてませんが「既にやってみた事のある」「ハンドソーンウェルト製法やマッケイ 製法よりは、靴作りやってます感が薄い」という気がして除外。
 
マッケイ は、足が細い為「中に手が入らないでしょ、こんなの縫える?!」って思いまして。ハンドソーンウェルトより難易度高いんじゃ?って思えて除外。あとマッケイ 製法の方が、ハンドソーンウェルト製法より、詳細な手順が掴み難かった。細かい手順まで解説してある文章や映像がさほど目に付かなかった。(ガッツリ調べに行った訳ではないけども…。)
 
ハンドソーンウェルト製法はユーチューブでもかなり作業している映像が見受けられました。そして、何よりこの本の存在「紳士靴を仕立てる
 
 
大きめの書店じゃないと在庫ないのではなかろうか、やっと実物を手に取ってパラパラとめくってみたら「やれる!出来る!これ見ながらだったら、いきなりハンドソーンウェルト製法でも、やった事が無くても靴作れるよ!」と興奮しました。
コンセプトである「ガンプラのキットを説明書を見ながら作るように」の説明書とは、まさにこの本。
5千円強はしますから、高い部類だと思いますが、その価値はお値段以上でしょう。
木型 在りきの所からになってますので木型を作る所からなら「製靴書」の方が深いですね。この本も欲しい!
 
 
「紳士靴を仕立てる」の内容を書店で確認してそのまま買って帰りました。
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中古靴のリメイクからのスタートなので、型紙〜アッパーの製作は置いといて…。
底付けに関しては、いける!
 
と確信めいたものを感じ 底付けの工程やっていきます。

中古靴リメイク1足目【中古靴のメンテ~解体】

 

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↑前回のなんちゃって感が満載のかなり適当な仮履で、結構な手応えを感じてしまいました。

 
4足落札した中古靴の中から一番良さげなこの靴のアッパーを使い底付けを行って靴を作っていこうと思います。
 
スーツセレクトの靴です。
シワや色落ちもかなり出ていて くたびれた感あります。

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乾燥してパサついてたので、メンテしました。
デリケートクリームからのクレムです。 

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 乾燥してるなぁと思った時、ど定番のデリケートクリーム
 
そしてなんだかんだ言っても、やはりクレムは使いやすくて綺麗になります。
ブラッシングして、ちょっと磨いてみました。
前後で比べると見た目がそれなりに良くなってます。
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解体して採取したアッパー。

本底・中底・月型・先芯・ウェルト・鉢巻・積上げ・トップリフト

これらを材料に底付けをやっていきます。

スクイ縫い、出し縫い 共に手縫いで。ハンドソーンってやつですね。

いきなりハンドソーンなの!?と言われております(笑)

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 いよいよ靴作り始めます。中古靴のリメイクという形ですが、ゆくゆくは全部自作(フルスクラッチ)への最初の一歩です。
 

仮靴の製作【アッパーの取得~釣り込み~仮靴まで】

前回は、解体した中古靴のアッパーを使って削った木型に釣り込んでみました。
 
しかし、ちょっと接着する部分の面積が狭く狭く底をつけるのは難しいかなと感じ断念しました。(再度、別の機会に試すかもしれません)
 
今回は、別の中古靴の解体を行い、釣り込み〜底の接着〜足入れしてフィットの確認 を行いたいと思います。
 
買った中古靴です。これも1000円しないくらいだったと思います。なんかビニール質な感じ。
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分解します。
底から見ると糸が見えていますが・・・

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開いたら糸はウェルトと繫がっていません。フェイクですね。

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本底を取りました。アッパー、ウェルトは縫われてないです。セメント製法ですね。

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本底、中底、アッパーに分かれました。

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縫われてない飾りのウェルトを外して

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釣り込んでみました。
なんか、ぐちゃぐちゃですね(^^;) 

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踵。まだ、ワニを買ってない頃なので、ウォーターポンプ・プライヤーとかラジオペンチとかで釣り込んだんです(笑)

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爪先。ツーシームなので爪先の難しい部分に縫い目が2箇所あります。

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うまく巻き込めませんでしたが、フィット見るだけなので・・・
まあ いいかなと思い無理矢理底を接着してみました。
爪先が特にぐちゃぐちゃですね(笑)

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踵〜ボールジョイント辺りのフィットを見れればいいので、これで木型を抜いて足入れしてみます。 
木型抜けました。割とあっさり。ぎちぎちにきっちりと釣り込めてたら、抜くのに苦労しそうですけど・・・。しっかり釣り込めてないと言うことでしょう(笑)

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足入れしてみたら はぁ〜、なんか気持ちいいんですけど!
羽根は閉じきってますけどね・・・まだまだ隙間もあるし、更に削り込む余地は大いにあるわけですが、それでも気持ちいい!なんか包み込まれてる感があります。
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自分で削ってみた木型で、なんかいい感じの靴に出来そうな気がしてきました。 
謎の手ごたえ(笑)f:id:cloud-hide:20181026224709j:plain
 
アッパーを流用する為の中古靴を4足ヤフオクで落札したのですが、次回は本命の1足を使い靴を作っていこうと思います。
本命と言っても、こんな感じでくたびれていますけど・・・。f:id:cloud-hide:20181026224903j:plain
 
ちょっと保革の為にメンテをやろうと思います。

中古靴の解体-ホーキンス エアーライト- 【アッパーの取得】

 

cloud-hide.hatenablog.jp

 

前回の記事では、必死こいて木型を削った訳ですが、今回は、仮靴を作る為に中古靴の解体をやっていった時の話です。

通常は木型から型紙を作って~、型紙から革を裁断して~、縫い合わせて~といった工程を経てアッパーを作っていく訳です。

 

なにも知らないままアッパー作るって敷居が高すぎる!

(まあ、なにも知らないまま靴を作り始めた者が言うのもなんですが・・・)

 

ミシンもないし!レザークラフトやったこと無いのにあんな縫える!?

(再度、なにも知らないまま靴を作り始めた者が言うのもなんですが・・・)

 と思っていました。

 

中古靴のリメイクと言う手段

自分で木型を削ろうとか 靴を作ろうとか決意する前の話です。

漠然と、フィットする靴を履いてみたいから

「木型削って職人に靴を作ってもらって、履いて木型修正して、また作ってもらって」

と繰り返してジャストフィットするマイラストを完成させようと考えてました。

でも、ちょっと修正しては職人に発注してもらうって結構出費が・・・。

そんな矢先に目にしたのが

こちらのブンさんの(中古靴を解体ーアッパー採取ーマイラストで釣り込みー底付け)の一連の作業を行い中古靴のリメイクを行ったというツイートです。

(該当ツイートのリンク貼れればいいけど、結構前なんで見つけられない・・)

 

その様子は後に、サイトで記事にされてます。

 

「これなら出来そう!」そう思っちゃったんです。

ブンさんはかつて職人さんの教わりながら、数足靴を作った経験をお持ちの方です。

自分は、作ったことありません。レザークラフト小物なんかも作ったことありません。

でも、「これなら出来そう!」って思ったんだから仕方ないです。

アホだから思いつきで始めた訳です。

 

 

同サイトで中古靴を解体する記事があります。

 

アッパーの抽出方法(中古靴を分解) | Make Shoes Yourself

 

 

中古靴の解体してアッパーの取得をやってみる

それでは、ここから実際やってみたときの様子です。

 

ヤフオクで(1000円弱くらいだったかな)落札しました。

ABCマートでおなじみのホーキンスです。

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爪先側から刃を入れてはがしていきました。

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なかに衝撃吸収に良さそうなスポンジ的なクッション。

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中物を剥したところ。がっしりとしたシャンクが見えますね。

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リブテープーアッパーーウェルトが縫われています。

グッドイヤーウェルト製法の靴ですね。

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ばらばらになりました。

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削り込んだ木型です(左:ビフォー、右:アフター)

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木型に釣り込んでみました。裏側の写真が残ってないです。

余程の出来の悪さだったんでしょう。

釣り込みに関しては、また改めて。

元と比べると形がずいぶん変わりました。

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この時は、釣り込んだはいいが接着しろが少なそうで仮靴にはしませんでした。

しかし

・中古靴解体を実際にやってみたこと。

・自分の削ったラストに巻き込むとこんなに変わるんだと認知できた事。

 

これが今回の収穫です。次の「仮靴作成~仮靴への足入れ」に繫がっていきます。

 

 

木型を削る1【マイラスト】

 

cloud-hide.hatenablog.jp

 前回は、既成の汎用木型を手に入れました。

今回は木型を削った時の流れです。

 

さて購入したラスト、樹脂製の物であります。

これをAウィズ相当まで削っていく訳です。

かけ離れてます、自分の足型と。

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ボールジョイント部分の幅を計ってみます。

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ざっくり93.3mm

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一方自分の足は

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80.9mm

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ふ...そうですか。これを削っていく訳ですか。

すでに憂鬱

 

とりあえず幅寄せるためにガシガシサイドを削りました。

雑です。大雑把です。

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わからないなりに、削って

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削って

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削って

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こ~んな事して「あ~まだまだ削れるなぁ」って思ったり

(左右違うので目安ですが・・・。)

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針金あてて甲のカーブ見ます。

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真ん中で母子側が反転してますが

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当ててみて沿う様に削っていきました。

(当時の写真無かったのでこの写真は後のもの)

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で、なんとか形になってきた~。

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さてこの辺で、一回仮靴なんか作って感触をみようと思うのであります。