中古靴リメイク1足目【チャン糸作り】
↑前回は釣り込みをやってみました。
スクイ縫いを行う為の前準備としてチャン糸を作っていきます。
チャン糸?
まあ普通の人には聞きなれない言葉です。チャンとは松脂と油を混ぜた物の事を言います。チャンには粘りがありベトつく感触です。このチャンを糸に塗りつける事で、縒っている糸が緩みにくくなる効果が期待でき、また、ひとつひとつの縫い目での糸同士の絡みが良くなります。
袋に入った黄色っぽいのが松脂(洋チャン)です。
チャン糸を作るにはチャンを作らなければなりません。
洋チャンとも言われる松脂を熱すると溶けてきます。溶けたものを放っておくとそのまま冷えて固まりパリパリになってしまいます。なので煮込んで溶けた松脂に油を足して冷ますと練り消しゴムの様な状態になります。
油が少ないと、パキパキと折れてしまい、多すぎると、べたべたで緩い状態になります。加減が難しい様です。
加減など全然わからないので、少な目の量を煮込んで見ました。しばらく煮込んで、アクの様な泡が少なくなって来たくらいの所で胡麻油を少量入れて更に煮込んだのち水をはったボールに垂らして冷やしていきます。
結果、水中で飴のようにパリパリになりました…。見事に失敗です。
貧乏性のワタクシは、ボールからチャンを引き上げ水をきったのち再度煮てみたんです。そうするとまあ、高温の油に水を垂らした時の様に、パチパチと弾ける様に飛び散りまして「あつっ!あっつ〜!」と悲鳴をあげながら更に煮て水分飛ばして、胡麻油を少量足して、再度水をはったボールに垂らしたら今度はいい感じ。これで良しとしとこう。
(と、その時は思ったんですが、柔らか目の水飴と言いましょうか。スライムみたいと言いましょうか…あとになって思うにアレは柔過ぎで失敗です)
出来上がったチャンを糸にシゴく様に塗りつけて、更に布でゴシゴシこすって摩擦熱で少し溶かす感じで糸に染みこませ、その上にロウを塗っていくとチャン糸の完成です!
なんとかチャンを擦り込み蝋を塗ってチャン糸となりました。
しかしチャンは緩くどろどろになってしまっています(^^;)
よく、これで出来たと言えた物だ(笑)
左足完成後、右足を作るときに改めてチャンを作ってるので、比較用・駄目な例として
糸作るだけでこれだけの労力は、正直シンドイって思いました。作る楽しさみたいなものがないんですよね〜、この工程にはあんまり。
でもここで糸をしっかりと作ってないと後で泣きを見ますね。
次回は、スクイ縫いについて書けるかな…?